UKロック好きの呟き

主にUKロック関連情報をご提供。コメント大歓迎/お話ししましょ~

【スポンサーリンク】

Foals 「Everything Not Saved Will Be Lost Part 1」【アルバムレビュー】

遅ればせながら、、先月発売されたFoals5枚目のアルバムEverything Not Saved Will Be Lost Part 1について書きたいと思う。
アルバムタイトルにPart1とあるように、2部構成のアルバムの前編。長年付き添ったベーシストWalter Gerversに伴って、これまでライブ環境を整えてのレコーディング中心のスタイルから、今回プロデューサーもいないことから皆で話し合いをしながら、スピーカーから出る音を聞きこんだり、より緻密なレコーディングスタイルで進めていった結果、気付いたら20曲できたから2部構成にしようという話になったとのこと。
前編となる今作はシンセサウンドを効果的に取り入れ、全体的に暗いダークな雰囲気をまといながらも体が自然と動いてしまうダンサンブルなアルバムになっている。

オープニングトラック「Moonlight」はセカンドアルバム以降、アルバムに1曲は入っている曲調のムーディーなスローナンバー。夢からふと目覚めて、依然夢心地のまま、不思議な夢の内容を思い返しているような楽曲。このアルバムが1つの物語のように、通して聞くべきものであることを感じさせる。
続く「Exit」はとにかく中毒性の高い1曲。ボーカルには抑揚がなく、一見単調に聞こえなくもないが、ディープなベース音にこれぞフォールズというようなギターフレーズ、終盤になると徐々にシンセサイザーがピコピコ鳴りだす。5回くらい聞いたらもう虜だろう。
「White Onions」はこのアルバムの中では数少ない、荒々しいバンドサウンドを聞かせてくれる。ぶっ潰れたベース音がたまらない。前作収録の名曲「What Went Down」に
1stアルバムAntidotesのテイストを加えたよう。
「In Degrees」はこのアルバムを象徴するようなダンサンブルな1曲。New Orderがやっててもおかしくないような曲調。ライブで盛り上がること間違いなし。サマソニでこの曲に合わせて踊り飛び跳ねるのが楽しみだ。
ここまで徐々に盛り上がりを見せてきたが、続く「Syrups」で一旦落ち着きを見せる。
ゆったりとしたテンポにこれまた癖になるベースラインが特徴。先ほど落ち着きを見せるといったが、この曲、途中からアップテンポに変調する展開を見せ、終盤はヤニスの力強い歌声も堪能できる。5分の間にこれほどいろんな要素を取り入れることができるなんて恐れ入る。
さぁここでこのアルバム一番のキラーチューン「On The Luan」登場だ。一番ポップなトラックではないだろうか。ギターをやっている人間なら無意識に手元が動いてしまいそうなJimmy Smithのギターリフ。思わず口ずさんでしまうキャッチーなメロディ。
「On The Luan」でテンションが上がったかと思うと今度は木琴みたいな音が印象的な「Cafe D'Athens」へつながる。RadioheadのKid Aに入ってても違和感ないような曲調。これだからFoalsはたまらない。不思議な浮遊感。
美しいインスト曲を挟んでその流れのまま「Sunday」へ。このアルバムも終わりに近づいているんだな…そんなことを感じさせる。このままゆったりと終わりへ向かうのだろう、そう思っているとこでこれまた曲の大変調が。いきなりUnderworldの「Born Slippy」みたいなことになってて脱帽である。「さぁサービスだ、これが最後だから思いっきり踊れ!」という感じだろうか。
最後はピアノの旋律がとにかく美しい佳曲「I'm Done With the World Live」。
The fox is dead in the garden
キツネは庭で死に絶え
The hedges are on fire in the country lanes
生垣は田舎道で燃え盛る
And all I want to do is get out of the rain
僕が望むのは雨から逃れることだけ
An autumn day, an autumn day
ある秋の日に…

何と切ないんだろう。
「Syrups」では遠吠えをするキツネが登場するのだが…
こんなところからもアルバムを1つの物語、1つの作品として通して聴いてほしいという意図が強く感じられる。

今作もアートワークは素敵だ
植物に覆われた南欧っぽい邸宅。夏の終わりのジメジメとしたちょっと気怠い1日。ただ夜になると肌寒さを感じる。そんな中で一人この世の終わりについて思いを馳せる。そんなアルバムだ(どんなアルバムだ)。”end of the world”とか”evil”とか"wasting time"
とか"devil"とか、そんなワードがこの作品を象徴している。